大規模修繕を成功させるために必要な管理組合の事前準備

マンション管理組合の最も大切な仕事のひとつに、計画的に大規模修繕工事を実施することがあげられます。自分たちの暮らすマンショに可能な限り長く快適に使えるように、そして管理組合の限られた修繕積立金を無駄にしないように大規模修繕を適切に実施しなくてはなりません。

マンションの大規模修繕工事の特徴

マンションの大規模修繕工事の特徴
マンションで行われる大規模修繕工事は、居住者が住んだまま行われます。従って、生活になるべく支障をきたさないという工夫や安全性の確保が必要となります

さらに工事をスムーズに進めるには、マンションの居住者、施工者や設計者、さらに管理会社や管理員の相互理解と協力が必要不可欠となります。事前の説明会の開催や工事の内容や進捗状況に関する広報がとても重要です。

長期修繕計画の1~2年程度前から準備を始める

大規模修繕工事を成功させるためには、理事会が率先して計画的に工事の準備に取り組むことが重要です。長期修繕計画で大規模修繕が予定されている時期の1~2年程度前には準備に取りかかります。

仮に、こうした管理組合の仕事をないがしろにして工事を管理会社に丸投げした場合には、管理組合の資金を丸ごと使い切るような工事となり、修繕積立金を無駄に浪費してしまう恐れがあります。

最終的には総会の決議が必要

それでは、マンション管理組合が大規模修繕工事を実施する場合にどのように進めて良いのかを考えてみます。進め方にはいくつかの方法がありますが、いずれの方法であっても最終的には、総会の決議を経なければならないことにかわりはありません。

準備段階のフロー

大規模修繕の管理組合の仕事を大きく分類すると、前半が実施に向けた事前準備、後半が工事期間中の業務となります。 大規模修繕プロジェクトの大半の労力は事前準備に費やされ、この準備段階が大規模修繕工事の成否をわける大切なプロセスです。無理のないスケジュールで検討を進めていきましょう。

準備段階で大切なことは、理事会や修繕委員会が大規模修繕工事の進め方について積極的に情報発信をして組合員の誰もが納得できる透明性の高いプロジェクトにすることです。

準備段階では、まず大規模修繕工事を実施するための組織づくりからはじめ、専門会による建物劣化診断を実施し、その結果をもとに資金計画と工事内容を検討して実施計画を策定することになります。

●組織づくり

理事会が中心となって、大規模修繕工事に実施に向けた組織づくりを開始します。理事会の諮問機関として修繕委員会を結成したり、必要に応じて外部の専門家の活用も検討します。

●現状把握のためのアンケート

理事会や専門委員会での検討の過程や結果は、適宜、組合員にPRをおこないます。 また、住人アンケートにより組合員の意向収集に努めることも大切です。

●建物劣化診断の実施

長期修繕計画による大規模修繕の時期が近づいたら、専門家による建物劣化診断を実施をして、その結果を基に「どの部位」を「いつ頃」おこなうかを十分に検討して、必要な工事に取り組みます。

●資金計画の検討

必要な工事費用が修繕積立金でまかなえるか、賄えない場合には具体的にどのように対応するかを検討します。資金不足の場合には、一時金の徴収や借り入れを検討する必要がでてきます。

●委託・契約方式の決定

専門家への依頼方法によって大規模修繕工事の進め方が大きく異なります。 準備段階においては委託・契約の方式を「設計監理方式」「責任施工方式」のどちらにするかを決定することが重要です。

●コンサルタント(専門家)の選定

大規模修繕工事には専門的知識が不可欠なためまず管理組合がまずやっておきたいのは管理組合のパートナーとして、マンションの大規模修繕工事に詳しいコンサルタント探しです。

●工事仕様書の作成

専門業者に依頼して工事仕様書を作成します。これは、工事関連の発注トラブルを避けるための重要な書類です。設計監理方式の場合は、設計会社が工事仕様書を作成し、責任施工方式の場合は、 施工会社が作成するのが一般的です。

●施工会社の選定

責任施工方式の場合は、工事仕様書を作成した業者が施工を請け負うことになります。 設計監理方式の場合は、 設計をおこなう業者の支援を受けながら複数の候補から施工会社を選定します。