大規模修繕工事を準備段階でポイントとなる修繕委員会・専門委員会と呼ばれる検討組織づくり

マンションで管理組合で大規模修繕工事を準備段階でポイントとなるのは、準備から工事完了までの1~3年程度の長期間にわたるプロジェクトの管理組合内での検討体制をどうやって組織するかということです。この期間は、管理組合役員の任期より長く、また、大規模修繕工事には専門的な知識も必要となります。理事会だけで対処できない場合には、理事会とは別に、修繕委員会等の組織を結成して、大規模修繕工事を中心に取り組むメンバーを募ります。分譲マンションでは、組合員の中に、さまざまな分野の知識を持った方が多いので、それらの人々の専門知餓やノウハウを生かしなが取り組むことが成功させる鍵になりまます。組織の名称は「修繕委員会」のほか、「専門委員会」「大規模修繕委員会」といったように様々です。委員の任期は大規模修繕工事終了までとます。

大規模修繕に向けた体制づくり

大規模修繕に向けた体制づくり
大規模修繕の事前準備を、管理組合の理事会が中心となった進める場合と、理事会とは別の組織をつくる場合があります。ある程度以上の規模のマンションとなると、理事会の通常業務の他に、大規模修繕の仕事が追加されると大きな負担を負わせることになり、理事会の役員だけで対応することは困難になるため、別組織を結成して対応することが望ましいでしょう。

■修繕委員会の権限

「修繕委員会」は理事会の諮問機関として設置して、その決定権は理事会にあります。修繕委員会の役割は、専門的見地から理事会への提案をおこなうところまでであり、最終的な方向付けは理事会の判断によります。

理事会と修繕委員会で、方向性が異なり意見が対立しては修繕委員会を結成する意味がありません。そこで、できれば理事会と修繕委員会のパイプ役となる理事が何人か委員会に参加して、常に同じ認識の上に立ってコミュニケーションを図ると良いでしょう。

理事会と修繕委員会は良好な関係性を維持しながら、お互いに協力して検討を行っていくことが重要です。お互いに足を引っ張るといったことが起きないよう、互いにうまく連携するルールを作成しておくことが大切です。

■修繕委員会のメンバー

修繕委員会のメンバーには、組合員の中から、歴代の理事経験者や建築関連の仕事に就かれている方を中心に、専門知識は持っていなくても関心の高い方や、日中のマンションの状況をよく知っている方などバランスよく構成したいものです。

修繕委員会の人数は多過ぎても意思統一が困難になりやすく、また少なすぎてもメンバーの負担が重くなることから、マンション規模にあった数に調整します。

なお、大規模修繕に関連する施工会社の社員など、工事の発注先になり得る方をメンバーにする場合には、施工会社の選定に関与させないなど予め業務範囲を明確にしておく方が望ましいでしょう。

■修繕委員のメンバー募集

修繕委員のメンバーには技術的な知識のある方、人望のある方、広報などの役割に対応できるなど幅広い立場の方からバランスよく選出する。候補者の選出方法は、マンションの掲示板などを利用して募集をするのが一般的です。

  1. 希望者の立候補
  2. 他薦によるもの
  3. 歴代の理事、修繕委員経験者

■修繕委員会の仕事

大規模修繕における修繕委員会の仕事は、月に1~2回程度の割合で開催される修繕委員会に参加して、工事の検討を進め、その検討内容を理事会にフィードバックさせることです。修繕委員会はあくまでも理事会の諮問機関としての役割を担うので、最終的な意思決定は理事会に委ねるようにします。

  • 現状調査
  • 業者への発注方法の選定
  • 工事の仕様・工法の検討
  • 工事費用の算出
  • 施工会社・工事監理者の選定
  • 工事の実施時期・実施期間
  • 工事実施中の居住者対応
  • 工事完了時の検査対応など

修繕委員会の主な仕事は、コンサルタントや施工会社の選定、工法内容の検討などです。その他、住人説明会の実施などの広報活動、調査診断・工事中の打ち合わせ、工事完了時の検査立会いなども業務に含まれます。

なお、修繕委員の任期は大規模修繕工事終了までの長期にわたるため、委員会の開催は、事前に全員が集まりやすい曜日や時間などの日時を決めておくと良いでしょう。

■ 小規模マンション等で「修繕委員会」を設けるのが困難な場合

小規模マンションでは、そもそも区分所有者数が少なく、人材が限られているため修繕委員会を結成するのは難しいといったケースも多いでしょう。こうした場合には、大規模修繕工事の検討期間だけ臨時に役員の数を増やすなどして理事会が中心となって大規模修繕工事を進めていくのも良い方法です。大規模修繕工事の検討期間中は、役員の任期をできるだけ長くして、交代する場合でも半数交代とするなどして情報を引き継いでいくことが大切です。

マンションでの専門委員会の活用

大規模修繕以外にも、マンション管理組合の運営には通常業務の他に不定期なものがあります。例えば、規約・細則の改正などです。理事会でまかないきれない場合は、専門委員会を組織して効率化を図ることも大切です。
事前に規約に定めておけば、専門委員会は理事会の決議で設けることができるので、総会の決議を経ずに迅速に対応できます。