大規模修繕工事の4回目を迎える頃には建替えについての検討も必要

分譲マンションは、事前に作成した長期修繕計画に従って大規模修繕を定期的におこなって、なるべく長く保たせることが基本です。しかし相当の年数が経ち、マンションの性能や機能が著しく低下した場合や、極度に老朽化が進んで安全性の確保が難しくなった場合には、大規模修繕では改善が見込めなかったり、それに非常に大きな費用がかかるようになることもあります。こうした場合には、大規模修繕との比較により、建替えについての検討も必要になってきます。

マンションの寿命はどれくらい?

マンションの寿命はどれくらい?
近年、マンションでは所有者の永住志向が強まっていますが、建物のメンテナンスを適切におこなっていても建物の寿命はいずれやってきます。一般的にマンションの寿命は60年程度とされていますが、これは、鉄筋コンクリート造のマンションの資産価値を計算する際に用いられる法定耐用年数の60年を根拠にしたものです。

修繕か建替えかの判断

現実的なところマンションの建替えは円滑に進んでいるとは言えません。平成31年4月「マンション建替えの実施状況」(国土交通省)の発表によると、実施準備中のマンションを含めても建て替えが完了しているマンション300管理組合に満たない状況です。

建替えが進まない理由にあげられるのは、、区分所有者の高齢化が進む中、検討開始から建替え完了まで10年近くの歳月を要するほか、工事期間中の仮住まい等の負担も大きいことから合意形成が困難になっています。

また、これまで建替えをおこなってきたマンションは、比較的立地に恵まれ、建替え後のマンションの一部を売却することで、自己負担を軽減することができましたが、これから建替えを検討するマンションの多くは、組合員の負担額が大きいケースが大半といった経済的な理由が建替えを難しくしています。

こうした事情により、最近では、現在のマンションのメンテナンスをしっかりとおこなって、半永久的に建物を延命させるといった方針の管理組合が多くなっています。

いずれにしても、マンションで建替えを検討する目安の時期は築50年目を過ぎた頃です。大規模修繕工事の周期を12年程度とすれば、この間におこなう大規模修繕工事を4~5回程度、大規模修繕工事の4回目の検討を始める頃には、建て替えも頭の中に入れておく必要がでてきます。

建替えか大規模修繕をおこなうかの最終判断は、管理組合がおこなうことになりますが、こうした検討にあたっては理事会のメンバーだけでは手に負えないため専門家に依頼してマンションの老朽度の判定や建替えに掛かる費用の算定をおこなってもらう必要があります。