工事着工前の「施工計画の承認」と「工事説明会の開催」

総会で大規模修繕工事の計画が承認され、管理組合と施工会社との契約締結が無事完了すると、いよいよ工事着手の段取りに入ります。マンションの大規模修繕工事の特徴は、住人が日常生活を営んでいるなかで、並行して工事をおこなうことになり生活の場がそのまま工事の現場となることです。居住者の負担を最小限に抑える無理のない工事計画をたて、工事内容をきちんと広報してできる限り生活に支障ないように進行していきます。

施工計画書の承認

実際に工事を実施するにあたっては、事前に実施計画を決めておく必要があります。工事賄負契約の締結が完了すると、施工会社が施工計画書を管理組合に提出します。施工会社が施工計画書(工程表、仮設計画等)を作成します。施工会社が作成した施工計画書について理事会で検討をして、特に問題がなければ承認をすることで施工計画が決定します。

工事着工準備期間

工事をスムースに進行するためには居住者の協力が不可欠なため、住人各々も工事着工に向けた準備を始める必要があります。たとえば各住戸のバルコニーに置かれている鉢植えや荷物は工事の支障となるため移動が必要です。また、現場事務所や資材置き場確保のために車や自転車の移動が必要な場合もあります。

工事期間は3~4ヶ月に及ぶ

工事内容にもよりますが、通常、大規模修繕工事の期間は3~4ヶ月程度掛かります。この工事期間中に居住者に具体的にどのような影響が及ぶのか説明をして理解を得ることが重要です。

高齢者への対応も必要

管理組合としては、バルコニーの植木鉢の移動が困難な高齢世帯への対応などを、施工会社と協力しておこなっていく必要があるでしょう。

工事説明会の開催

工事着工の2~3週間程度前には、施工会社と管理組合が共同で住人に対する工事説明会を開催します。工事中に想定される問題点や依頼事項について居住者に十分な情報提供をおこなう必要があります。

工事説明会の流れ

工事説明会の流れ

  • 理事会から施工会社決定までの経緯説明
  • 設計監理者の挨拶
  • 施工会社の担当者の挨拶
  • 施工会社の担当者から、事前に用意した資料を基に、工事協力のお願いと工事の進め方などについて説明
  • 工事期間中のクレーム・連絡窓口の案内
  • 工事に関する質疑応答

説明会当日の進行がスムースに進むように、また、欠席者がでることも配慮して事前に工事説明会の資料を配布をしておくことが望ましいでしょう。

工事説明会の資料には、住人への依頼事項や、足場をどのように架けるか、工事内容・作業スケジュール・安全対策などを記載して、説明会では、特に、バルコニーの片付けや在宅が必要な工事、そして居住者の苦情や意見を受け付ける窓口を明確に伝えます。

説明会には住人全員が参加することが望まれますが、現実的にはそれも困難なため複数回の開催も検討します。説明会では施工会社による説明の後、質疑応答をおこない居住者の理解を深めます。

工事が実際に始まり、クレームをつける住人の大半はこの住民説明会に出席されなかった方です。住まいながらの工事を円滑に進められるかは、この住民説明会の内容と住人の出席率にかかわっています。