大規模修繕の準備段階では管理組合で保管している竣工図書や修繕履歴等の書類を参考にする

大規模修繕の準備段階では管理組合で保管している竣工図書や修繕履歴等の書類を参考にする

大規模修繕工事の準備段階で、管理組合で保管している竣工図書や修繕履歴等の書類が必要になります。こうした書類や日常点検の記録が大規模修繕の実施や長期修繕計画の見直しでは、貴重な情報となります。

大規模修繕工事の前にあると良い書類

大規模修繕工事の前にあると良い書類
大規模修繕工事を行う上で過去の記録は欠かせない情報です。通常はマンション内の管理室や集会室で保管しているケースが多いようですが、竣工図書に関しては、建設当初に管理組合が引き渡しを受けていないケースも散見されます。マンションの竣工時に分譲会社が管理組合に渡しているはずのこうした書類が見つからない場合には、マンションの販売会社や管理会社、歴代の理事等に確認をしましょう。

竣工図書やパンフレット

竣工図書とはマンションには建てられた時の設計図等の書類のことです。図面類がないと新たに作成する必要があり、時間も費用もかかります。竣工図書はマンションの図面や仕上表や使用材料リスト、元施工者リストは、既存の仕上材を把握するうえで貴重な資料となります。

なお「竣工図書」とは、工事中の変更が反映された図面、建物竣工時の設計図面等の書類をいいます。「設計図書」とは、 計画時の設計図等の書類をいいます。通常は「設計」から「竣工」までの間に設計の手直しがあるので、竣工図書が引き継がれていることが望ましいのですが、 なければ設計図書を参考にします。

保管されているべき書類の例

  •  購入時のパンフレット
  •  意匠図
  •  設備図(給排水設備、ガス・電気設備等)
  •  仕上げ表
  • 付近見取図
  •  配置図
  • 仕様書(仕上表を含む)
  • 各階平面図
  • 2面以上の立面図
  •  断面図または矩計図
  • 基礎伏図
  • 各階床伏図
  • 小屋伏図
  • 構造詳細図
  • 構造計算書
  • 確認申請書類
  • 検査済証(建築,消防, 昇降機等)

●修繕履歴

修繕履歴からマンションの問題点や不具合の傾向をを把握することが可能です。修繕の記録は、建物の状況を把握するための基礎資料となります。過去に実施した大規模修繕工事の改修記録も含まれます。修繕履歴が管理組合で整理・保管されていない場合には管理会社に履歴がないか確認をします。

漏水やサッシが動かないといった不具合を補修した記録が残っていれば、部分的な不良だけに留まらず、建物全体に共通する不具合が隠れている可能性があります。特に修繕履歴の調査から何度も修繕が繰り返されて箇所が見つかれば、大規模修繕の範囲に含めることを検討します。

●点検報告書

定期的にメンテナンス業者によっておこなわれる日常・法定点検の報告書も貴重な資料となります。消防設備・エレベーター・機械式駐車場等に不具合が発生していないか確認をおこないます。

●総会議案書

総会議案書では、過去の決算書が確認できるので、これまでの修繕内容が読み取れることも多いでしょう。また、現在の管理組合の財政状態、修繕積立金や管理費、駐車場使用料などがどのようになっているか把握できます。

●保険対応の記録

漏水事故などは、管理組合で加入しているマンション総合保険で対応していることが多いため、保険の記録が残されていれば給排水管の劣化状況などを読み取ることができます。

竣工図書がない場合

竣工図書などが何らかの理由で手に入らない場合には、実測してつくるしかありません。建物を維持管理するうえで竣工図書は欠かせないため、大規模修繕にあたっても竣工図書があることが前提になります。竣工図書がない場合には、作成の時間と費用が掛かることを覚悟しなくてはなりません。