大規模修繕の総会決議は普通決議・特別決議?どのような段階で決議が必要か?

大規模修繕の工事内容や資金計画、施工会社の選定が終われば、総会の開催となります。大規模修繕工事実施の最終的な決定は、区分所有法の規定に基づき、管理組合の総会における決議が必要になります。管理組合の定期総会、あるいは臨時総会に諮って組合員の賛否を問いましょう。

大規模修繕で必要となる総会決議

大規模修繕で必要となる総会決議
大規模修繕工事の内容や修繕積立金の取り崩し、借入は総会決議事項です。大規模修繕工事で総会を開催が必要となる場面を以下に記載します。最終的な工事実施の決議までの各ステップにおいて総会決議をおこない、所有者の合意を得ながら適切に進めていきます。

<総会決議の例>1.準備段階
・修繕委員会設立の決議
・修繕計画案の承認決議
・建物劣化診断の実施決議2.計画段階
・コンサルタント(設計・管理)業務委託決議

3.実施段階
・工事実施計画の承認決議
・施工会社の承認決議
・借入金承認決議

4.工事完了後
・長期修繕計画の見直し決議

必要となる総会決議は、工事の進め方や管理規約の内容、管理組合の慣例などによって異なってくるので管理会社の担当者と相談をしながら適正に進めていきます。

理事会の判断に委ねる方法もあり

軽微な内容に関する承認については、総会の決議によってあらかじめ理事会の判断に委ねておく方法もあります。たとえば、総会決議で概算予算や工事内容を決議したのちに、施工会社の選定や正式な工事請負金額については理事会に一任するといった場合です。

総会の決議要件

総会の決議要件
総会は、管理組合の最高の意思決定機関とされ、議案により決議要件が異なり、特別決議事項と普通決議事項に分けられます。

大規模修繕は、その規模や程度から共用部分の変更にあたる工事となります。共用部分を変更する行為の決議要件は「共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴う」場合と、「そうでない」場合とでは決議要件が異なります。

●著しい変更がある場合(特別決議)

共用部分を変更する行為の決議要件は規約で別段の定めがなければ「共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴う場合には、区分所有者数及び議決権の各4分の3以上の多数による特別多数決議」とされています。さらに、特定の住戸に特別の影響を及ぼす時は、その組合員の承諾を得なければならないとされています。

●通常の大規模修繕工事(普通決議)

一方、著しい変更を伴わない場合には、「区分所有者及び議決権の各過半数による普通決議」で決することができます。ようするに一般的な大規模修繕工事は普通決議で足りるということです。
ととなります。しかし規約により設定が異なるので注意が必要です。

多くの反対があっては工事は困難

普通決議で工事がおこなえるとはいっても、組合員の協力がなければ円滑な工事の進行は困難です。半数近くが
反対というような状況で工事することは現実的ではないので、できるだけ多くの同意を得ることが必要です。

その他の総会決議事項
  • 修繕積立金の取り崩し
  • 工事資金の借入
  • 修繕積立金の徴収額の変更
  • 長期修繕計画の改定
  • 規約・使用細則の改定

総会の「委任状」と「議決権行使書」の取り扱い

総会には、なるべく多くの組合員が出席して組合員の総意で組合運営の意思決定を行うことが本来の姿です。しかし実際に総会に出席する組合員の割合を多くありません。

「普通決議」「特別決議」の条件を満たすかの計算においては「委任状」「議決権行使書」の提出をもって出席とみなします。
これは、標準管理規約第46条第4項におi
て「組合員は、書面又は代理人によって議決権を行使することができる」、と規定されています。

総会の議案書

本来は総会の議案の決定や、議案書の作成は理事会の仕事ですが、専門的な事項については、修繕委員会や管理会社の担当、コンサルタントの支援を受けながらおこなっていくことになります。
総会の議案書は、これまで理事会が住人アンケートや説明会を開催して、組合員の吸い上げなら工事に係る様々な検討をおこなった過程をわかりやすくまとめて、組合員の合意が得られるようにします。

大規模修繕工事や修繕積立金の増額の議案など、組合員にとって重要な議題がある場合には、それぞれが検討する時間を考慮して、なるべく早めに、総会案内や議案書を送付するようにします。

総会前の住人説明会の開催

総会前の住人説明会の開催

大規模修繕の実施は総会で決議しますが、総会当日に出席者で議論する時間はありません。そこで、総会に諮る前に住人向けの説明会を開催して、事前に組合員の理解と意見を吸い上げておくことが重要になります。

いきなり総会を開催して承認を得るというのは現実的ではないため、理事会や修繕委員会が議事録や掲示物などで適宜況報告をおこない、適切なタイミングで説明会などを開催しておくことが大切です。

特に工事費用として、組合員から一時金を徴収したり、借入金が必要となる場合には、組合員にとっては重大影響があるため、理解を得るために住人向けの説明会の開催が必要となるでしょう。