大規模修繕工事を成功に導くための正しい施工会社の選定方法

大規模修繕工事を成功に導くための正しい施工会社の選定方法

施工会社の選定にあたって管理組合が重視しなくてはならないのは、選定の方法や過程が公正であることです。施工会社の選定が大規模修繕工事を成功に導く過程でで最も大切な作業と言っても差し支えないでしょう。大規模修繕にかかわる業界は談合やリベートがまかり通っているので十分に注意が必要です。

施工会社選定の基本

公平な立場にある第三者のコンサルタントの助言を受けることも大切ですが、最終的には必ず管理組合が主体となって決定すべきです。理事会や修繕委員会が各施工業者の見積りや提案内容を公平に比較して、マンションにとって最も適した施工会社を選びます。

施工会社選定の過程は、理事会や修繕委員会が組合員に情報開示しなが進め、だれもが納得のいくプロセスを踏まなくてはなりません。

組合員の関係者に発注しない

大規模修繕工事を管理組合の役員や組合員が関連する会社に発注をしたり、工事の内容が値段に相応でない不適切なものになったり施工後にトラブルや問題が発生した場合に、厳しく責任を追求できないといったことがあるので、関係者への発注はおすすめできません。

なお、標準管理規約第37条の2に、役員の利益相反取引の防止に関する規定が設けられています。

施工会社のリストアップ

施工会社選定の初期段階では、見積りを依頼する候補をリストアップすることからはじめます。 設計監理方式の場合はコンサルタント(設計事務所等)のアドバイスを受けながら施工会社のリストアップおこないましょう。

また、責任施工方式でについても、理事会や修繕員会のメンバーに特別なノウハウがない場合には、マンション管理士等の公正な第三者のアドバイスを受けることが望ましいでしょう。

見積りを依頼する候補を探す方法として、理事会や修繕委員のメンバーが独自にインターネット検索で探したり、近隣の業者、住人やコンサルタント会社・管理会社からの推薦や紹介などを受ける方法が考えられます。さらに公明正大に進めるために業界紙等を利用して公募をおこなうのも良いでしょう。

公募をおこなえば、数十社が参加をして、見積り金額に2倍近い開きがあることも珍しくありません。

見積りの依頼

リストアップした施工会社に対して、コンサルタント会社や理事会・修繕委員で作成した、統一の工事仕様書を提示して見積りと工事内容についての提案を依頼しま す。見積り金額か低いといった理由だけで施工会社を選ぶのは危険です。施工会社選定にあたっては統一の工事仕様、見積項目や書式の統一を図って同一条件で総合的に審査をします。

業者の選定

業者の選定

●書類審査

複数の施工業者から、見積りと提案内容について受け取ったら、理事会や修繕委員会で、提案内容や金額等を総合的に検討します。

書類審査では、施工会社のマンションにおいての大規模修繕工事の実績や、見積り項目(仕様・数量・単価)などを比較表にまとめるなどして公平に審査します。

特に極端に安い見積りや反対に極端に高い見積りの場合には、落とし穴がないか慎重に確認をおこなった上で、最終的にプレゼンテーションに残る施工会社を数社に絞ります。

●プレゼン会の開催

候補会社によりプレゼン会を実施して、管理組合は自らの意志で一番信頼できると思われる会社を選択します。プレゼン会やでは、参加者が積極的に質問をおこなって、施工会社の工事に対する考え方や、現場代理人の能力などを総合的に審査します。

特に現場代理人の能力が工事の良否を左右するので、必ずプレゼン会への出席を求めるようにしましょう。結局のところ大規模修繕工事とはいえ、最後は人がおこなう工事なので会社の規模や実績よりも、現場代理人(現場監督)の人柄や経験、住人対応能力などが重要となります。審査基準に担当者に能力に関する項目を加えることが大切です。

こうした、施工会社選定のプレゼン会の開催は、大規模修繕工事を実施するにあたって住人の工事に対する理解を深まるためのよい機会となるので、理事会や修繕委員だけではなく組合員全員に参加を呼びかけるのが望ましいでしょう。

●審査基準

無論、見積り金額だけを見て安い業者を選択するだけというのは得策ではありません。審査する項目は、見積り額や提案内容の他に、会社の実績や経営状態を審査する必要もあります。

マンションでの大規模修繕工事では、住人が暮らしている場所が現場になるという特徴があるので、特に分譲マンションでの実績は重要な審査のポイントです。

施工会社は、一般には名前を知らない業者が多いのも特徴です。知名度を大規模修繕の出来にはあまり重要ではなく、大切なことはその施工会社がマンション修繕のノウハウを持っているかです。過去の分譲マンションでの工事実績などを参考にすると良いでしょう。

また、工事完了後のアフターケアに誠意をもって対応できる会社であるかも重要なポイントです。

施工会社の内定

施工会社の内定プレゼン会の後には、理事会や修繕委員会で話しあって理事会が承認することで、施工会社の内定となり、最終的には管理組合の総会承認を経て工事実施となります。

総会の前に住人説明会を開催して、施工会社を選定した基準や選定結果を説明して、そこで参加者からでた意見を議案書に反映するなどのプロセスを踏むのが総会を円滑に進めるためには重要となるでしょう。

なお、管理組合によっては、事前に総会で大枠の計画を承認して、施工会社の選定などは理事会に一任されている場合もあります。この場合には改めて総会決議を踏む必要性なないものと思われますが、このような場合でも施工会社選定の経緯などは、住人説明会などで説明すべきです。