大規模修繕工事の教科書

マンション管理組合が知っておきたいこと。

大規模修繕工事が終わってもやることがあるのだろうか?


大規模修繕工事が無事に終わると、ほっと一息つきたくなります。しかし、工事完了はゴールではなく、新たなスタートでもあります。このタイミングでしかできない確認や、次につながる管理の工夫があります。この記事では、工事終了後の進め方について学んでいきます。

長期修繕計画を見直すタイミング

大規模修繕工事が終わった直後は、建物の状態が明確になっているため、長期修繕計画の見直しに最適な時期です。専門家の意見を取り入れつつ、次回修繕までの流れや優先順位を整理しましょう。

項目内容
目的現在の建物の状態を踏まえて、今後の修繕時期と内容を見直す
実施者管理組合・修繕委員会+専門家(設計コンサルタントなど)
タイミング工事完了後1年以内が目安

保証期間内の点検・補修を忘れずに

大規模修繕工事にも保証期間があります。この期間内であれば、施工不良や不具合が見つかった場合に無償で補修を受けられます。必ず保証書を確認し、期限が切れる前に定期点検を実施しましょう。

項目内容
保証の対象防水、外壁塗装、タイル補修など工事項目ごとに異なる
点検のタイミング保証期間終了の1年前〜半年前に実施がおすすめ
留意点点検結果を記録し、補修が必要な場合は早めに対応を依頼

次の修繕に向けた「保全管理」を続ける

次の大規模修繕工事は10~15年後。その間、書類の保管・点検記録・住民対応の履歴などを丁寧に蓄積しておくことが、次回工事の円滑な準備につながります。また、定期的な簡易点検を実施することで、大きな劣化の兆候を早期に把握できます。

まとめ

大規模修繕工事が終わったからといって、安心しきって何もしないのはもったいないタイミングです。むしろ、建物の状態が明らかになっている今こそ、長期修繕計画を見直し、保証期間内の点検・補修を行う絶好の機会といえます。そして、次回の工事に備えて管理記録をしっかり残しておくことが、将来の理事や住民にとっても大きな助けとなります。工事完了後の取り組みを怠らず、マンションの資産価値と住まいの安心を長く守りましょう。

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