
マンションに長く快適に住み続けるためには、大規模修繕工事が欠かせません。ただし、「どのくらいお金がかかるのか?」という疑問は多くの方が気になるところです。この記事では、大規模修繕工事の費用の目安や、その資金をどのように準備していくのかについて解説します。
工事費用は1戸あたり130〜150万円が目安
大規模修繕工事の費用は、1戸あたりおおよそ130〜150万円が一般的な目安とされています。ただしこれは一例であり、以下のような条件によって金額は前後します。
要因 | 内容の例 |
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マンションの規模 | 戸数が多いほど工事費用を分散でき、1戸あたりの負担が軽くなる傾向あり |
工事の範囲 | 外壁の補修や防水工事、給排水管の更新など、実施内容の違い |
建物の状態 | 老朽化が進んでいると修繕範囲が広がり、費用が増える場合も |
地域や業者の相場 | 地域ごとの価格差や施工会社ごとの見積りの違いなど |
特に築年数が長い建物では、構造や設備に関わる修繕も必要となり、費用がかさむケースが多くなります。
費用は「修繕積立金」でコツコツ準備
高額な修繕費用を一度に用意するのは、住民にとって大きな負担になります。そのため多くのマンションでは、毎月の「修繕積立金」を通じて、少しずつ資金を積み立てています。
これは、急に大きな金額を請求されると、支払えない人が出るリスクがあるためです。支払えない方がいると工事が予定通り進まないだけでなく、住民間でトラブルの原因にもなりかねません。そこで、月々の小さな負担で計画的に積み立てておくことが、全員にとって安心な方法なのです。
修繕積立金のイメージ(30戸のマンションの場合)
項目 | 内容 |
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想定される修繕費の総額 | 約4,500万円(30戸 × 150万円) |
積立期間 | 12年間 |
月々の積立金(1戸) | 約12,500円 |
※実際の金額や積立期間はマンションの条件により異なります。
一括請求は避けたいところ
修繕積立金が十分でない場合、追加で一時金の徴収が必要になるケースもありますが、これは住民にとって大きな負担です。支払いに困る方が出てしまえば、合意形成が難しくなり、工事の遅れにもつながります。
そのためにも、早い段階から資金計画を立てて、無理のない積立を行うことがとても重要です。
まとめ
マンションの大規模修繕工事には、1戸あたり約130~150万円の費用がかかるとされていますが、実際にはマンションの規模や工事の内容によって変動します。この費用を一度に支払うのではなく、多くのマンションでは修繕積立金という形で毎月少しずつ積み立てています。こうすることで、住民の負担を分散でき、いざというときに一時金を徴収する必要がなくなります。修繕積立金が不足していると、追加徴収が必要になり、支払えない方が出ることでトラブルにつながる可能性もあるため、長期的な資金計画をしっかりと立てておくことが安心のポイントです。