建物の寿命を延ばすために欠かせない第2回目の大規模修繕


マンションにおける大規模修繕工事は、建物の劣化を防ぎ、快適な住環境を保つために不可欠です。中でも2回目の大規模修繕は、1回目とは異なる課題が現れる重要な節目です。設備の更新時期も重なるため、より慎重な判断と準備が求められます。この記事では、2回目の大規模修繕について学んでいきます。

2回目の大規模修繕の重要なポイント

12~15年を目安に行われる1回目の大規模修繕では、主に外壁や屋上防水など、建物の外側が中心です。一方で、2回目の修繕(おおよそ築24~30年目)では、より深刻な劣化設備の老朽化が顕在化します。

たとえば以下のような設備が、更新や交換の検討時期を迎えます。

設備名耐用年数の目安点検・交換の必要性
エレベーター約25~30年安全性・停止事故のリスク
給水ポンプ約15~20年漏水・圧力不安定など
インターホン約20~25年通信不良・機能不全
照明(共用部)約10~15年LED化など省エネ対応
換気設備約20年騒音・換気能力低下

2回目の修繕では、こうした設備の更新コストが大きくなる傾向があるため、次回(3回目)の修繕まで持ち越すか、今回の工事で実施するかを、長期修繕計画と照らし合わせて慎重に判断する必要があります。

工事会社に直接依頼しても大丈夫?

コンサルタントを入れずに工事会社に直接依頼することも可能ですが、工事の品質管理、理事会との調整、住民説明会などを含めた「進行管理」には高い専門性が求められます。

直接依頼を検討する場合は、以下のような基準で選定するのが安心です。

  • 大規模修繕の実績が豊富
  • 理事会・管理組合へのサポート実績あり
  • アフターサービス体制がある
  • 住民対応に慣れている

信頼できる施工会社を選ぶことで、スムーズな工事進行とトラブル回避につながります。

まとめ

2回目の大規模修繕は、1回目よりも対応範囲が広がり、設備更新の要否など複雑な判断を迫られる重要なタイミングです。建物の劣化が進行しすぎると、修繕費用の増大や安全性のリスクが高まりかねません。そのため、劣化状況を適切に把握し、長期的な視点で修繕計画を見直すことが求められます。特にエレベーターや給排水設備など、住民生活に直結するインフラについては早めの判断が安心につながります。工事会社と直接契約する場合も、豊富な経験とサポート体制を持つ企業を選ぶことで、トラブルを避けて安心できる修繕を実現できます。2回目の修繕を「延命措置」ではなく、「未来への投資」と捉え、建物の価値を守る大切なステップとして前向きに取り組んでいきましょう。

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